morishitaです。
今回はいこーよチームで使っているタスクボードの作り方、どのように使っているかについて紹介します。
材料・道具
必要な材料は次のとおりです。
- スチレンボード
- 付箋
- マスキングテープ
- マグネットクリップ(オプショナル)
- スチールプレート(オプショナル)
この他に道具としてマーカーペンがあればいいでしょうハサミはマスキングテープを切るのに必要なら用意してください。
これらの材料を使ってオフィス内をデスク周りや会議室など取り回しよく持ち運べるポータブルなタスクボードを作ります。
スチレンボード
スチレンボードはポリスチレンの板の両面に紙を貼ったものです。軽くて、そこそこ丈夫、そして表面が紙なので書き込める便利なクラフト素材です。
東急ハンズなどで売っていますし、通販でも買えます。
様々なサイズと厚みのものがあります。
サイズはどんなタスクボードを作るのかを決めてから選びましょう。
A1サイズよりも大きいと大きすぎて取り回しにくいかなと思います。
厚みは5mm以上を選択すれば、しっかりしていて扱いやすいと思います。
片面に粘着剤が塗布されているタイプもあるので間違わずに両面紙のものを選択してください。
黒いなど色付きもあります。
マスキングテープ
マスキングテープはタスクボードの仕切る線を引くのに使います。マーカーで線をひいいてもいいのですが、次の理由でおすすめです。
- 定規なしでもまっすぐの線が引ける
- 貼り直しできる
色、柄、太さ選択肢は多いですが、次の観点で選ぶといいと思います。
- 写真にとっても見えやすい
- でもうるさずぎない
- 付箋の色ともかぶらない
付箋
付箋は75mmの正方形のものが使いやすいと思います。 サイズはお好みで選べばいいと思いますが、とにかく剥がれにくい強粘着タイプを強くおすすめします。
色も様々選べます。一色で運用してもいいですし、機能分野や事業的な重要度などで色を使い分けてもいいと思います。
付箋のTipsをひとつ。付箋は縦にめくらずに横から剥がせば反りません1。
マグネットクリップ
マグネットクリップはタスクボードを挟んで壁に貼っておくのに使います。
オフィスの見やすい場所にスチールのパーティションやキャビネットの裏あるいはホワイトボードがあれば普段はそこに磁石で貼り付けて共有できます。
磁力がある程度強くないと徐々にずり落ちてきます。
100円ショップに売っているものは少々磁力が弱いものが多いようです。
その場合は3個、4個使って数で支えるといいと思います。
スチールプレート
壁はあるけど、磁石はつかないという場合にはスチールプレート2を使ってもいいでしょう。粘着シートが付いた鉄の板です。
見やすい壁に貼り付ければ、そこにマグネットでタスクボードを貼れます。
それも難しいならイーゼル3を使ったり、壁に立て掛けるだけでもいいかと思います。
設計
材料を実際に集める前にどんなタスクボードを作るのかを考えましょう。
最低限必要なのは次の3つの状態の管理です。
- Todo
- Doing
- Done
もっと細かく状態を管理・共有したければ増やしてもいいですが、あんまり細かいと運用が面倒になりがちなので程々に。
すでにRedmineなどのイシュートラッキングシステム(ITS)を使っているならその状態とマッピングできるようにしたほうがいいです。もちろん、ITSの状態をそのままタスクボードに使っても構いません。が、ITSの状態が多い場合にはタスクボードの運用負荷を下げるためにタスクボードで管理する状態は減らしたほうがいいと思います。
管理したい状態が決まれば、タスクボードのレイアウトを考えます。
Todo、Doing、Done の3状態ならシンプルに3カラムに区切って左から Todo、Doing、Done とすればいいと思います。
どんなのがいいのかわからなければ「タスクボード」で画像検索すると参考になるものが色々見られると思います4。
A1サイズのスチレンボードと、75mm角の付箋を使う場合、隙間を開けて付箋並べるとだいたい横10枚、縦7枚貼れます。つまり、10 x 7のマス目をどう使うかです。
それを目安にどう区切るのかラフにスケッチしてみるといいかと思います。
作り方
どんなタスクボードを作るのかが決まったら、前述した材料を集めて作りましょう。
特にスチレンボードのサイズはチームので管理したいスプリントあたりのタスク数に応じて選択してください。
ちなみにいこーよチーム(常時15〜20タスク程度を管理)ではA1サイズ(594mm ☓ 841mm)を使っています。
さて、作ると言ってもスチレンボードを各ステータス毎にマスキングテープで仕切っていくだけです。
きちんと各ステータスのエリアの幅と高さを測ってもいいですが、手っ取り早いのは実際に付箋をレイアウトに合わせて貼ってみることです。
横に3枚並べて貼りたいエリアなら実際に張ってみれば幅がわかり線を引く位置がわかります。
線はマスキングテープで引くので、失敗しても貼り直し可能なので思い切っていきましょう。
線を引き終わったら各エリアに管理したいステータスをわかりやすく書き込みます。
ITSを使っている場合には対応するITS側のステータスも書き込んでおくと「このステータス、タスクボードでは何だったっけ?」と考えなくて済むのでおすすめです。
普通のマーカーペンで書いてもいいですが、フリクションのマーカーペンだと間違ったり変更したくなった時に消せるので便利です。
これで出来上がりです。
使い方
タスクを付箋に書いたら貼り付けてチームの開発フロー合わせて使いやすいように使ってください。以上。
で終わらせるのもあんまりなので、いこーよチームでどんなふうに使っているのかを紹介します。
いこーよチームのタスクボード
いこーよチームで使っているタスクボードは次の様なレイアウトです。
大前提としてすべてのタスクはRedmineで管理しています。
Redmineとタスクボード、二重管理なの? と問われれば、まあYESですが、マスタデータはRedmineです。
タスクボードは管理ツールではなくコミュニケーションツールと思っています。
タスクボード上ではTodo、Doing、Done の3状態が把握できればよいので次の様にRedmineのステータスとマッピングしています。
ステータス | サブステータス | Redmineのステータス | 説明 |
---|---|---|---|
Todo | - | 着手OK | 未着手タスク |
Doing | ●着手 ▲レビュー待ち ◆もうひと押しで解決 |
●着手 ▲レビュー待ち ◆もうひと押しで解決 |
●実行中 ▲レビュー中 ◆リリース待ち |
Done | - | 解決 見直し |
リリース済み 方針変更により終了 |
Todo のタスクは上に貼られたものほど優先度が高いというルールになっており、タスクが終わったら次のタスクをTodo一番の上のものから取っていきます。
いこーよチームの開発プロセスはスクラムをベースにしており、1週間スプリントで開発は進行します。タスクボード上に乗せるのはそのスプリントでやるべきタスクのみです。
タスクの付箋には次の項目を書き込んでいます。
- チケット番号
- チケットのタイトル
- ストーリーポイント
例えばこんな感じです。
毎朝のスタンドアップMTGで各タスクの状況を確認します。
金曜日のMTGではその時点で終わっているタスクのストーリーポイントを数えてそのスプリントのベロシティを確定し、バックログから次週やるべき優先度のタスクを Todo に追加します。
また、当社はリモート勤務も可能ですが、スタンドアップMTGはハングアウトでリモートメンバーも参加します。
カメラで写しながらタスクボードの状況もリモートメンバーと共有しますし、MTG直後のタスクボードを撮影して写真でも共有します。このためにマスキングテープ、付箋は写真映えする色を選んでいます。
スタンドアップMTGの場所は大体決まっていますが、必要に応じてタスクボードはいつもの場所から会議室などに持っていきます。
とまあ、こんな感じです。
タスクボードの効果
実は、いこーよチームでこのタスクボードを使い始めたのは6月からで、まだ2ヶ月くらいしか経っていませんが効果は実感しています。
先に「タスクボードはコミュニケーションツール」と書きましたが、今スプリントで最優先のタスクが物理的に可視化されているタスクボードがあることでコミュニケーションしやすくなったと思います。
例えば「このタスク何待ちでリリースしないんだっけ」とか、スプリントの途中で差込が発生した場合に「そのタスクの代わりにどのタスクの優先度を下げようか?」とか、「優先度を変えてまで今スプリントでやるべきか?」という調整がやりやすくなりました。
最後に
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