アクトインディ開発者ブログ

子供とお出かけ情報「いこーよ」を運営する、アクトインディ株式会社の開発者ブログです

優先度をつけにくいモノをScrumで対応する

ohataです。

この記事は actindi Advent Calendar 2019 の16日目の記事です。

adventar.org

最近Scrumのイベントに参加するのですが、よく話題に上がる事があります。

  • エンジニアタスクをPOと共有できずエンジニアのモチベーションが上がらない
  • [あとでやる]という扱いのものをどうしているか
  • プロダクトバックログのメンテを誰とやるか

上記問題についてアクトインディで行なっている取り組みを紹介したいと思います。

エンジニアタスクをPOと共有できずエンジニアのモチベーションが上がらない

プロジェクトの期限、他案件の優先度によりライブラリアップデートやリファクタリングが後回しになる事があります。 メリットよりデメリットが多くなるというタスクは軽視はされがちですが、そういうものこそセキュリティや作業効率には大きく影響することを全員で理解していく必要が大切だと思います。

[全体意識としては当たり前として持ってますよ!]というのは当然だと思うのでなるべく仕組みで解決していくべきです。

実践している内容

仕組みとしては、各Sprintの5pt(XX%とかでも良い)はエンジニア側メンテに使いますというルールを作ってしまうとやりやすいです。

  • 各Sprintの5pt(20%とかでも良い)はメンテに充てる
  • まとまってやってしまいたい場合は1Sprint使って行い、他のスプリントのメンテptは事業タスクに充てる

[あとでやる]という扱いのものをどうしているか

プロダクトを進めている中で[あとでやろう]とか、[このプロジェクトが終わってから]というようなタスクが出てくる事があると思います。 よく出てくるものとして

  • 誰かが気づきであげてくれた細かい改善案
  • 運用からの要件

誰かが気づきであげてくれた細かい改善案

メンバーがプロダクトについて感じた事は都度意見が出てくると思います。 新しく出てきたタスクに関しての優先度はSprint MTGで行なっていくのですが、この時に[やったほうが良いけど、今じゃないよね]とか[良い案だからあとでやろう]という流れになって[時間があれば]扱いにしてしまう事はよくある事です。 (実施計画されないので、ほぼやらない) その行動を何回かとってしまうとメンバーからの提案レベルのものは実施されないという意識になってしまい、細かい改善を提案していく意識が知らない間になくなってしまいます。 チームで活動する意味は、多角的な視点を集め、精度高いプロダクトを作っていく事が大きな強みだと思うので必ず計画して行きましょう!

計画するポイント
  • 実践する目処をプロダクトバックログに組み込む
  • 要件を詰める場合は、要件を詰める時期をプロダクトバックログに組み込む

運用からの要件

管理画面機能や運用で使う機能が優先度低めにされてしまう事があります。 - 月1にデータあれば良いから、月1にエンジニアにデータ抽出を依頼すれば良い - たまにしか発生しない現象だから、運用でカバーなど - 障害対応など

プロジェクト初期など時間がない時に、CSVエクスポートやインポートだけで済むよう作業は割と優先度低い扱いをされてしまいます。 また運用で回っていると、当たり前になってしまい疑問を呈する感覚がなくなっていきます。 優先度の付け方としては、正しいと思いますが運用をしていく中でどれだけの作業が発生していて、ワンオペになっていないかなどを 定期的に観測していく必要があります。 誰か1人が[30分くらいしかかからないので]みたいな発言が出ているのであれば注意が必要です。

計画するポイント
  • やった作業時間を計測する
  • 制作メンバーが実施した場合はベロシティとして計算する (障害対応と同じ感覚)
  • 1日30分が5分に短縮できるなら他の作業に時間を使えることを理解する
  • 他の人がオペレーションできれば、冗長化しやすい事を理解する
  • まとまってやらないといけないので、計画したSprintをずれさない意識をもつ

プロダクトバックログのメンテを誰とやるか

基本的にProductOwnerとScrumMasterで行なっています 全員でやっているという会社もあるようなのですが、割と同じ話を何回もして優先度の再確認をしているので、全員は非効率かなと思ってやっています。 チームへの確認はSprint Planningの前に行なっているのですが、都度上がってきた改善案などは付箋に書いて、デイリーMTGで共有されているので大枠をSprint MTGまでに決めて確認をするようにしています。 ここは毎日やるべきという方も多いので、自分ももう少し知見をためて時間ではなく効果の方で話ができるようになっていきたいと思います。

まとめ

意識でカバーできるのはチームの信頼関係としては最高なのですが、その時の状況によって視点が狭くなったりする事もあるので チームとしての拠り所としてあると不毛な議論をしなくて健全だと思います。 運用方法をインセプションデッキ的に共有するのも有効カモです。 常にモヤモヤしている事があるのは効率としてはよくないので、[あれはいつやるから今はこれに集中!]という状況になると良いと思います。 これを実感してくると、モヤモヤタスクが出てきたときにメンバーから声がどんどん出てくるので。 最大パフォーマンスで動けているときはアウトプットも良いし非効率な事に疑問を感じやすくなるので、ドンドン可視化していきましょう!

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2019年もあとちょっとですが、最大のパフォーマンスで終えて、年末は美味しいお酒を呑みましょう!